開かれた本にしおりが挟まれているアイコン
封書のアイコン

健康二次被害を防ぐために

体を動かさないと、どんなことが起こる?

普段の生活では気づかないうちに、意外とたくさん動いています。
避難生活では、「動かないこと」が思った以上に健康に影響します。​

平常時から災害時への変化を示した図。平常時は買い物や掃除などの日常生活を送っているが、災害時は家の外に出る機会が激減、トイレが遠くて行く回数が減る、不安や疲れで誰とも話さない日が続くことがあることを表したイラスト。
災害による避難生活の長期化により、体を動かさない・水分を控える・人と話さないという状況が生じ、生活機能の低下や要介護度の重度化、ロコモ・サルコペニア・フレイル・認知症のリスクが高まることを示し、予防には適度な運動・こまめな水分摂取・コミュニケーションが重要であることを表したフローチャート図。

“動かない”は
要支援・要介護の要因

体を動かさない生活が続くと、骨・関節・筋肉が徐々に衰えていき、筋力の低下、関節の痛み、歩行障害、さらには認知機能の低下といったリスクが高まります。​
また、水分不足による脱水や、人とのコミュニケーション不足も、健康への悪影響を及ぼす要因となります。​

健康二次被害を防ぐために、日頃のちょっとした意識と、周りとのつながりが鍵となります。​

知っておきたい用語

メタボ(メタボリックシンドローム)

内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態。​

サルコペニア

加齢により筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態。日常生活にも支障をきたす。

ロコモ(ロコモティブシンドローム、運動器症候群)

加齢や生活習慣によって骨・関節・筋肉の機能が低下し、歩行障害が起こること。

フレイル

加齢によって心身が衰え、回復力が低下した健康と要介護の間の虚弱な状態。

健康二次被害を防ぐためのポイント​

避難生活では、体を動かす機会がぐっと減ってしまいます。
そのまま何日も座りっぱなしや寝たきりのような状態が続くと、筋肉が弱りやすくなり、
歩くのがつらくなったり、転びやすくなったりすることがあります。​

災害時に鍛えるべきは、
「太もも」と「お腹」の筋肉。​

太ももの筋肉
立ち上がったり、歩いたり、踏ん張ったりするときに欠かせない筋肉です​
お腹の筋肉
体のバランスを保つのに重要で、背中や腰の負担を減らす働きもあります​
Abe et al. 2014より作図

筋肉を守るためにも
水分補給を忘れずに

筋肉の約7割は水分でできています。​水分が足りないと、栄養や酸素がうまく届かず、筋力が落ちる原因にもなります。​高齢の方は、のどの渇きを感じにくくなるため、意識してこまめにお水を飲むことが大切です。​

「声をかける」だけでも​
心と体の健康を守れます​

避難生活では、人と話す機会が減りがちです。
あいさつやちょっとした会話があるだけで、気持ちが落ち着き、脳への刺激にもなります。「こんにちは」「大丈夫ですか?」のひと言が、心と体の支えになります。​

日頃からできる“体の備え”

避難所などの限られたスペースでも、
ちょっとした意識と動きで筋肉を守ることができます。
無理なく少しずつ毎日続けてみましょう​。

たとえば…

  • 長時間座っていると感じたら
    定期的に立ち上がる​
  • 深呼吸しながら
    お腹をへこませる​

日頃からできる“体の備え”
つのポイント

  1. 朝夕1回ずつ
  2. 呼吸を止めずに
  3. 痛みのない範囲で

今日からできる!1分かんたん体操

すきま時間に1分だけ!簡単にできる体操を紹介します。

体をゆるめてスッキリ!腰痛ケア

血行不良や筋肉が硬くなると、痛みを感じやすくなります。こまめに体を動かしてリフレッシュしましょう​。

動き方

手を頭の上でくみ、​ 体を左右にゆっくり倒す​

目安

左右10秒ずつキープ

ポイント

体を前後や斜めに倒すと​腰回り全体を伸ばすことができます

動けるからだ作り!筋力アップエクササイズ​

太ももとお腹を使うスクワット。継続することで、いつまでも自分の足で歩き続けることが目指せます。

動き方

  • 脚を腰幅にひらく
  • 机等の支えに手を添え、
    ​立ち・座りを繰り返す

目安

3秒で立ち、3秒で座るペースで10回

ポイント

椅子から少しお尻を浮かせるところでキープすると、さらに効果的!

“いま動くこと”が、
未来の自分を守る防災になります。​